米韓サイトへのサイバー攻撃、北朝鮮関与説に賛否両論
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【7月10日 AFP】韓米両政府や主要機関などのウェブサイトが大規模なサイバー攻撃を受けた問題で、専門家の間では9日、北朝鮮や同国を支持する勢力の関与を疑う見方が出ている一方、それを否定する声も上がっている。
分散サービス妨害(Distributed Denial of Service、DDoS)と呼ばれる今回のサイバー攻撃では、ハッカーが大量のパソコンにボットネット(多くのパソコンやサーバに遠隔操作できる攻撃用プログラム)と呼ばれるウイルスを埋め込み、多量の有害トラフィックでウェブサイトに過剰な負荷をかけ、米国と韓国のウェブサイトを麻痺させた。
攻撃は5日から始まり、米国ではホワイトハウス、国防総省、国務省などを含む十数個のウェブサイトが、また韓国でもほぼ同数のウェブサイトが被害を受けた。国務省のイアン・ケリー(Ian Kelly)報道官は、9日も同省のウェブサイトが攻撃を受け続けていることを明らかにしている。
インターネット・セキュリティー研究・教育機関SANS Internet Storm Centerの最高技術責任者ヨハネス・ウーリッヒ(Johannes Ullrich)氏は、「実際に(北朝鮮が行ったことを)証明する証拠がない」として北朝鮮関与説に疑問を呈している。同氏によると、韓国や中国、あるいはこれを実行するための動機と手段を持つ者は誰でも犯人になりえるため、ある国家だと特定する証拠は何も存在しないという。
米セキィリティ企業SecureWorksのディレクター、ジョー・スチュワート(Joe Stewart)氏は、今回のサイバー攻撃の目的はウェブサイトを接続不能にしようとすることよりむしろ注目を集めるためだとする可能性を示している。
米韓両政府とも、北朝鮮政府がサイバー攻撃に関与していると公式に非難することは控えている。だが、韓国の国家情報院(National Intelligence Service、NIS)は国会議員らに対し、北朝鮮か同国を支持する勢力の犯行である可能性があると説明した。
一方、セキュリティソフトウェア会社Panda Softwareのウイルス研究機関の技術責任者ルイス・カロン(Luis Carrons)も、北朝鮮がサイバー攻撃を行った可能性が極めて高いとみている。カロン氏はAFPに、「実際の証拠はひとつもないが、すべてが北朝鮮の仕業であることを指し示している」と述べた。
先のウーリッヒ氏は今回の攻撃が多くの注目を受けたが実際に主要なウェブサイトがアクセス不能になった訳ではないことから、「さほど高度な技術ではない極めて単純な攻撃」だと指摘。「本当に高度なサイバー攻撃なら、それがあったことは誰も知らないはずだ。ハッカーたちは密かに犯行を実行し、データを盗み出す。実際に懸念されるのはその種の攻撃の方だ」と語った。(c)AFP/ Chris Lefkow
分散サービス妨害(Distributed Denial of Service、DDoS)と呼ばれる今回のサイバー攻撃では、ハッカーが大量のパソコンにボットネット(多くのパソコンやサーバに遠隔操作できる攻撃用プログラム)と呼ばれるウイルスを埋め込み、多量の有害トラフィックでウェブサイトに過剰な負荷をかけ、米国と韓国のウェブサイトを麻痺させた。
攻撃は5日から始まり、米国ではホワイトハウス、国防総省、国務省などを含む十数個のウェブサイトが、また韓国でもほぼ同数のウェブサイトが被害を受けた。国務省のイアン・ケリー(Ian Kelly)報道官は、9日も同省のウェブサイトが攻撃を受け続けていることを明らかにしている。
インターネット・セキュリティー研究・教育機関SANS Internet Storm Centerの最高技術責任者ヨハネス・ウーリッヒ(Johannes Ullrich)氏は、「実際に(北朝鮮が行ったことを)証明する証拠がない」として北朝鮮関与説に疑問を呈している。同氏によると、韓国や中国、あるいはこれを実行するための動機と手段を持つ者は誰でも犯人になりえるため、ある国家だと特定する証拠は何も存在しないという。
米セキィリティ企業SecureWorksのディレクター、ジョー・スチュワート(Joe Stewart)氏は、今回のサイバー攻撃の目的はウェブサイトを接続不能にしようとすることよりむしろ注目を集めるためだとする可能性を示している。
米韓両政府とも、北朝鮮政府がサイバー攻撃に関与していると公式に非難することは控えている。だが、韓国の国家情報院(National Intelligence Service、NIS)は国会議員らに対し、北朝鮮か同国を支持する勢力の犯行である可能性があると説明した。
一方、セキュリティソフトウェア会社Panda Softwareのウイルス研究機関の技術責任者ルイス・カロン(Luis Carrons)も、北朝鮮がサイバー攻撃を行った可能性が極めて高いとみている。カロン氏はAFPに、「実際の証拠はひとつもないが、すべてが北朝鮮の仕業であることを指し示している」と述べた。
先のウーリッヒ氏は今回の攻撃が多くの注目を受けたが実際に主要なウェブサイトがアクセス不能になった訳ではないことから、「さほど高度な技術ではない極めて単純な攻撃」だと指摘。「本当に高度なサイバー攻撃なら、それがあったことは誰も知らないはずだ。ハッカーたちは密かに犯行を実行し、データを盗み出す。実際に懸念されるのはその種の攻撃の方だ」と語った。(c)AFP/ Chris Lefkow