【6月9日 AFP】米アップル(Apple)は8日、米サンフランシスコ(San Francisco)で開催した開発者会議「ワールドワイド・デベロッパーズ・カンファレンス(Worldwide Developers ConferenceWWDC)」で、携帯電話端末iPhone(アイフォーン)の新型モデル「iPhone 3GS」を発表した。一方、登場がうわさされていた、長期療養中のスティーブ・ジョブズ(Steve Jobs)同社最高経営責任者(CEO)は姿を見せず、基調講演はフィリップ・シラー(Philip Schiller)上級副社長が行った。

 シラー氏はiPhone 3GSについて、「『S』はスピードのSだ。内部機能が完全に新しくなり、これまでで最強のiPhoneだ」と語った。動画撮影機能も初めて搭載され、16ギガバイトモデルが199ドル(約1万9600円)、32ギガバイトモデルが299ドル(約2万9400円)で今月19日発売の予定。

 前モデルのiPhone 3G(8ギガバイト)は99ドル(約9700円)に値下げされるという。

 シラー氏は、iPhone向け次世代OS「iPhone OS 3.0」が今月17日に全世界でリリースされることも発表した。iPhoneユーザーは無料のアップグレードが可能だという。

 WWDCでは、MacBookシリーズの新バージョンと、同シリーズの価格値下げも発表された。一方、マッキントッシュ(Macintosh)の新型OS「Snow Leopard」については、発売は9月だとしながらも、前バージョンのユーザーはわずか29ドル(約2900円)でアップグレードできると強調した。会場では、開発者向けに「ほぼ最終の」バージョンが配布された。

 アップルによると、WWDCには50か国以上から約5200人以上のソフトウエア開発者が集まったという。基調講演では、ライバルの米マイクロソフト(Microsoft)に対するユーモアと辛口の混じった指摘がなされた。

 1月から長期療養中のジョブズ氏について、アップルはこれまで通り秘密主義を貫いているが、今月末には復帰するとしている。(c)AFP/Glenn Chapman