【3月1日 AFP】中国の温家宝(Wen Jiabao)首相は28日、中国首相としては初めてインターネットでの公開チャットを行い、英国での靴投げ抗議から公務員の汚職問題まで幅広いテーマについて「ネット住人」に意見を語った。国営新華社通信(Xinhua)が伝えた。

 チャット本番に先立ち、中国内外から首相の収入、睡眠時間、飲酒量などを含む数千の質問が寄せられた。もっとも首相は個人的な質問には一切答えず、経済危機、医療制度改革などのより切実な問題についての意見をチャット上で語った。

 今月2月に英国を訪問した際、ケンブリッジ(Cambridge University)大学で講演中にドイツ人学生から靴を投げられたことについて温首相は、「私は冷静に行動した。まず国家と国民の威信ということを考え、次に良好な中英関係を維持することを考えた」と書き込んだ。

 前年6月には胡錦涛(Hu Jintao)国家主席が、やはり初の試みとして、寄せられた質問にインターネット上のストリーミング放送で答えている。

 中国が行った最新の調査によると、同国のインターネット人口は世界最多で2008年末には米国の総人口に迫る2億9800万人に達したという。その一方で中国政府は、統治の妨げになると見なす幅広い分野で閲覧の規制を進めており、中国のインターネットの検閲は世界で最も厳しいとされている。(c)AFP


【参考】中国政府のウェブサイト(中国語)