【2月9日 AFP】中国政府の「低俗サイト」取り締まりキャンペーンに対する抗議のしるしとして、中国のインターネットユーザーたちが、ルネサンス美術の裸体像や裸体画に「服を着せて」ネットに掲載する運動を展開した。

 きっかけは、ソーシャル・ネットワーキング・サイト「豆瓣(Douban.com)」上のルネサンス美術のフォトアルバムから、ティツィアーノ(Titian)の『ウルビーノのヴィーナス(Venus of Urbino)』など複数の裸体画が削除されたことだった。

 このアルバムを掲載した上海(Shanghai)在住のユーザーがサイト管理者に問い合わせたところ、「ポルノ写真を掲載したらサイトが運営できなくなる恐れがある」との答えが返ってきたという。

 怒った一部のユーザーは前週、全国のユーザーに対し、検閲から「守る」ために美術品の写真に服を着せるよう呼びかけた。これに呼応して、人民服を着たミケランジェロ(Michelangelo)のダビデ像や、同じくミケランジェロ作システィーナ礼拝堂(Sistine Chapel)の天井画のアダムに黒いソックスを履かせ、局部を黒いネクタイで隠すといった画像が多数掲載された。

 効果はすぐに現れた。問題の発端となった上海のユーザーによると、サイト側は5日までに、削除された裸体画を元の姿で掲載することを許可したという。

 中国当局は、ここ1か月のインターネット・サイト取り締まりキャンペーンで、1635のサイト、200のブログを閉鎖している。(c)AFP

服を着せた美術作品が掲載されているブログ