【12月30日 AFP】育児関連ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)UrbanBaby.comは立ち上げから9年間、ネット通の親たちの間で高い人気を集めた成功サイトだった。だが2008年夏、CBS傘下のITメディア企業CNetがUrbanBaby.comを買収。サイトのデザインを一新したところ、状況は一転した。

 CNet元社員でブロガーでもあるジョン・グリアー(Jon Greer)氏は「UrbanBabyの失敗はユーザーの懸念に素早く対応しなかったことだ」と指摘する。

 UrbanBabyのユーザーの1人は「もうけ主義の新しいサイトは不愉快なフラッシュ広告のため動作が重い。以前の素早く軽快な動作のサイトに慣れていたので、到底受け入れられない」と話す。

 結局、不満を募らせた数千人のUrbanBabyユーザーらは、新たに立ち上げられた育児サイトYouBeMom.comへと移っていった。

 2人の子どもを持つ別のユーザーは「YouBeMomのサイトデザインは、UrbanBabyの旧サイトとのものと同じ。YouBeMomでUrbanBabyから移動してきたユーザーを大勢見つけて興奮した」と話す。

 サイトのアクセス数などを調査するアレクサ(Alexa)によると、週平均のサイト訪問者数はYouBeMomの43万人に対し、UrbanBabyは7万2000人となっている。

 SNS大手フェースブック(Facebook)も2008年にサイトデザインを一新しているが、こうした不満は起きていない。フェースブックは、デザイン変更に際し、専用ブログでユーザーに変更を逐一報告したうえ、ユーザーからのフィードバックも受け付けた。完成版のスタート後も、新バージョンの運用が安定するまでの数か月間、旧デザインと新デザインの両方を利用できるようにした。

 一方、UrbanBabyの場合は、変更予告はしていたが、変更の具体的な内容は明らかにされなかった。

 前述のグリアー氏は、UrbanBabyの例は劇的ではあるが、こうした例はほかにも起こりうると指摘する。(c)AFP/Ian Sherr