【12月11日 AFP】米インターネット検索大手ヤフー(Yahoo)は10日、経営立て直しに向けた人員削減に着手した。2008年7-9月期決算が大幅減益になったことを受けて発表した方針に沿ったもので、全従業員の1割に相当する1400人を削減する。

 ジェリー・ヤン(Jerry Yang)最高経営責任者(CEO)によると、10日に削減を始めたのは米国ヤフーで、世界各地の拠点ではすでに人員整理が始まっているところもあるという。

 ヤフーは、インターネット市場で競合する米インターネット検索大手グーグル(Google)、米ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手マイスペース(MySpace)や同フェースブック(Facebook)などに押されていたが、景気減速でオンライン広告が減少し、大打撃を受けた。

 ヤンCEOは前月、CEO辞任の意向を発表、ヤフーは業績回復を任せられる後任選びを進めている。後任候補者には、英通信大手ボーダフォン(Vodafone)のCEOを最近辞任したアルン・サリン(Arun Sarin)氏などの名が挙がっている。

 米カリフォルニア(California)州のシリコンバレー(Silicon Valley)に拠点を置く米調査会社エンダール・グループ(Enderle Group)のアナリスト、ロブ・エンダール(Rob Enderle)氏は「今回以後もヤフーは人員削減を避けられないだろう」「後任が誰であろうと、またその目指すところが業績回復であろうと売却であろうと、それは会社の規模を整理する人物だ」との見方を示した。

 一方、ヤフー株の1.5%を保有する投資会社アイボリー・インベストメント・マネジメント(Ivory Investment Management)は、ヤフー取締役会に対し、インターネット検索部門を米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)に売却するよう要求している。

 アイボリーは、ネット検索部門を売却すれば、ヤフーに150億ドル(約1兆4000億円)が入るだけでなく、検索部門のコストがマイクロソフト持ちとなり、ヤフーは広告収入の一部も手に入れることもできると指摘。これらによって、ヤフーの年間キャッシュ・フローは、最大5億ドル(約460億円)増加するとしている。(c)AFP/Glenn Chapman