SNSや動画サイト、憎悪拡散の新たな道具に
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【11月19日 AFP】(一部更新)マイスペース(MySpace)やフェースブック(Facebook)といったソーシャルネットワーキングサービス(SNS)、またユーチューブ(YouTube)などの動画共有サイトが、少数派に対し憎悪の感情を持っている過激派グループにとって、メッセージを広めるための新しい強力なツールとなっているという。
ワシントンD.C.(Washington, DC)で17日開幕した、インターネット上でのヘイトスピーチ(憎悪にもとづき差別的行為を煽動するような言動)に関する国際会議で、インターネット上の差別行為防止を目的とした団体「International Network Against CyberHate(INACH)」の代表、クリストファー・ウルフ(Christopher Wolf)氏は、「マイスペース、フェースブック、ユーチューブは今や、インターネット上の『殺人アプリケーション』となっている。憎悪のウイルスは、こういったサイトに確実に感染している」と警告した。
2日間の日程で開催されるフランス大使館主催の会議で、ウルフ氏は「インターネットは、反ユダヤ主義者、ホロコースト否定者、人種差別主義者、同性愛差別者、テロリストなど、憎悪の扇動勢力によって、今後も多様な方法で利用され続けるだろう」との見方を示した。
また、ブログ、SNS、動画サイト、インスタントメッセージに代表されるウェブ2.0について言及し、「インターネット上で憎悪の扇動勢力が利用できるツールは、過去数年で増加した」と指摘した。
ほかの出席者も、SNSを利用して次世代のメンバーを募集しているネオナチや、コミュニティーを作っている白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan、KKK)」についても警告した。米ルイジアナ(Louisiana)州で9日、KKKの加入儀式を途中で離脱しようとした女性が、KKKグループの指導者に射殺された事件でも、女性はマイスペースを通じて勧誘された。
ウルフ氏は、「新しいインターネット技術と、憎悪の扇動勢力がそれを採用している現状は、これまでの静的なウェブサイトよりはるかに有害だ」と指摘する。憎悪に満ちたウェブサイトの問題が確実に存在する一方、より問題なのはウェブ2.0の技術が急激に普及していることで、これにより、憎悪のメッセージは文書だけでなく、音声でも広まっており、さらには動画によるものも増えているという。
「例えば、ユーチューブでは、人種差別主義や反ユダヤ主義、同性愛嫌悪など、少数派に不寛容なメッセージを盛り込んだ動画が数千件も投稿されている。フェースブックやマイスペースには、市民権保護を推進するサイトはあるが、ユダヤ人やイスラム教徒、同性愛者などの少数派を悪者扱いするサイトがはるかに多くあるのが現状だ」、「フェースブックやマイスペースではサービスの規約で、このようなメッセージの投稿は一切禁止されており、報告すればそのようなメッセージは削除されるが、1つのサイトで削除しても、ほかに掲載できるサイトは多数ある」と同氏は訴えた。(c)AFP/Chris Lefkow
ワシントンD.C.(Washington, DC)で17日開幕した、インターネット上でのヘイトスピーチ(憎悪にもとづき差別的行為を煽動するような言動)に関する国際会議で、インターネット上の差別行為防止を目的とした団体「International Network Against CyberHate(INACH)」の代表、クリストファー・ウルフ(Christopher Wolf)氏は、「マイスペース、フェースブック、ユーチューブは今や、インターネット上の『殺人アプリケーション』となっている。憎悪のウイルスは、こういったサイトに確実に感染している」と警告した。
2日間の日程で開催されるフランス大使館主催の会議で、ウルフ氏は「インターネットは、反ユダヤ主義者、ホロコースト否定者、人種差別主義者、同性愛差別者、テロリストなど、憎悪の扇動勢力によって、今後も多様な方法で利用され続けるだろう」との見方を示した。
また、ブログ、SNS、動画サイト、インスタントメッセージに代表されるウェブ2.0について言及し、「インターネット上で憎悪の扇動勢力が利用できるツールは、過去数年で増加した」と指摘した。
ほかの出席者も、SNSを利用して次世代のメンバーを募集しているネオナチや、コミュニティーを作っている白人至上主義団体「クー・クラックス・クラン(Ku Klux Klan、KKK)」についても警告した。米ルイジアナ(Louisiana)州で9日、KKKの加入儀式を途中で離脱しようとした女性が、KKKグループの指導者に射殺された事件でも、女性はマイスペースを通じて勧誘された。
ウルフ氏は、「新しいインターネット技術と、憎悪の扇動勢力がそれを採用している現状は、これまでの静的なウェブサイトよりはるかに有害だ」と指摘する。憎悪に満ちたウェブサイトの問題が確実に存在する一方、より問題なのはウェブ2.0の技術が急激に普及していることで、これにより、憎悪のメッセージは文書だけでなく、音声でも広まっており、さらには動画によるものも増えているという。
「例えば、ユーチューブでは、人種差別主義や反ユダヤ主義、同性愛嫌悪など、少数派に不寛容なメッセージを盛り込んだ動画が数千件も投稿されている。フェースブックやマイスペースには、市民権保護を推進するサイトはあるが、ユダヤ人やイスラム教徒、同性愛者などの少数派を悪者扱いするサイトがはるかに多くあるのが現状だ」、「フェースブックやマイスペースではサービスの規約で、このようなメッセージの投稿は一切禁止されており、報告すればそのようなメッセージは削除されるが、1つのサイトで削除しても、ほかに掲載できるサイトは多数ある」と同氏は訴えた。(c)AFP/Chris Lefkow