【10月30日 AFP】インターネット上でデジタル化した書籍を検索・購入できる「グーグルブック検索(Google Book Search)」が著作権に抵触するとして、米作家協会(Authors Guild)と米国出版社協会(AAP)が、米インターネット検索大手グーグル(Google)を訴えていた裁判で、両者は28日、歴史的な和解に合意したと発表した。

 グーグルブック検索は、グーグルと著名大学数校が共同で、各地の大学図書館の蔵書を複写してウェブ上で検索可能にする企画として3年前に開始されたが、作家および出版社は「甚大な著作権侵害」としてグーグルを相手取り、相次いで訴訟を起こした。

 2年間に及ぶ交渉を経て合意した和解条件に基づき、米作家協会と米国出版社協会はグーグルに対する訴訟を取り下げる。

 一方、グーグル側には、計1億2500万ドル(約123億円)の支払いが求められた。内訳は、著作権を管理する独立機関「Book Rights Registry」の設立費用として3000万ドル(約30億円)、無許可ですでに複写された書籍の著者および出版社に著作権料として4500万ドル(約 44億円)、残りが今回の訴訟費用の全額負担となっている。

 和解成立にはニューヨーク(New York)地方裁判所の承認が必要で、また米国での著作権保有者のみが適用対象となる。一方で、著作のデジタル化に同意し、Book Rights Registryに登録した作家および出版社には将来、収益が分配されるとしている。(c)AFP