【10月29日 AFP】米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)は28日、父親に同社の家庭用ゲーム機「Xbox」を取り上げられたことで家出し、行方不明になっている少年に関する情報に2万5000カナダ・ドル(約190万円)の懸賞金を掛けると発表した。この少年にはすでに同額の懸賞金が掛けられており、総額で5万カナダ・ドル(約380万円)となった。

 ブランドン・クリスプ(Brandon Crisp)君(15)はカナダの感謝祭にあたる今月13日、自宅のあるカナダ・オンタリオ(Ontario)州バリー(Barrie)から、自転車に乗って鉄道の廃線に沿って東の方に向かったという。それ以来、ブランドン君の消息は途絶えてしまった。

 クリスプ君の父親スティーブ・クリスプ(Steve Crisp)さんが地元メディアに語ったところによると、ブランドン君はオンライン戦争アクションゲームの「Call of Duty 4: Modern Warfare」をプレーし始めて以来、生活態度が悪くなったという。父親が態度を改めるよう注意をしたがきかなかったため、ブランドン君のXboxを取り上げた。

 ブランドン君は学校を無断で休んだり、金を盗むようになり、勉強も手につかない状態だったという。

 地元紙によると、クリスプ一家が利用していたインターネットプロバイダーなどが、ブランドン君の発見につながる情報に対し、2万5000カナダ・ドルの懸賞金を掛けた。マイクロソフトはそれに上乗せする形で同額の懸賞金の提供を申し出た。同社は28日、電子メールでAFPに対し、「彼がすぐに戻ってきてくれることを願っている」と述べた。

 スティーブさんは、地元紙グローブ・アンド・メール(Globe and Mail)とのインタビューで、ブランドン君にとってテレビゲームがどれほど大切なものだったかということや、それを取り上げたらどういう行動をとるかということを理解していなかったと語った。

 専門家によると、オンラインゲームで遊ぶ人はゲーム中で知り合うほかの人とある種の連帯感をもつことがあると指摘する。

 スティーブさんは「ゲームは息子のアイデンティティになっていたのに、それをよく理解せずにXboxを取り上げてしまった。これはすべての親が行き当たる問題だ。子どもの生活がビデオゲームに支配されている」と語った。

 スティーブさんは、今の望みは息子が無事に帰ってくることだけだと語っている。(c)AFP