【10月4日 AFP】インターネット検索大手のグーグル(Google)とヤフー(Yahoo)のオンライン広告分野で提携について、グーグルは3日、司法当局が両社の提携が及ぼす影響を検証できるよう事業開始を延期すると発表した。

 グーグルは声明で「6月にヤフーとの広告業務での提携合意を発表した際、われわれは詳細を検証する時間を当局に与えるため、事業開始を10月まで延期することで同意した」と発表。「依然として司法省と協議中であるため、協議継続中の間は当面、合意事項を実施しないことに同意した」と明らかにした。

 米ソフトウエア大手マイクロソフト(Microsoft)の法律顧問を務めるブラッド・スミス(Brad Smith)シニアバイスプレジデントは、両社の提携は競争を阻害し、グーグルにインターネットの入り口に対する「前代未聞の」支配力を与えると批判している。

■当局者の本音は?

 金融市場が自滅するのを放置したと非難されている政治家や当局者が、グーグルとヤフーの提携を国民の経済的利益に注意を払っている「アリバイ」として利用する可能性を指摘する専門家もいる。

 米調査会社エンダール・グループ(Enderle Group)のアナリスト、ロブ・エンダール(Rob Enderle)氏はAFPに対し、「グーグルとヤフーが提携すれば事実上の独占企業が誕生する。そして役人はそれを許すほどのユーモアのセンスがない」と話す。「政府は街に新しい保安官がやってきたぞと言いたいわけだ。そして大きな利益を出している会社はお上を怒らせたくない。(当局に目を付けられれば)石油会社だって安泰とは限らないからね」と説明した。

 エンダール氏はさらに、「これで当面はグーグルとヤフーの提携はなくなった。しばらくは無理だろう」とし、「議会や政権が消費者のことを考えているというポーズをとるために、消費者にとって好ましくないと見なされることは厳しく叩かれるようになるだろう」との見方を示した。(c)AFP/Glenn Chapman