【7月28日 AFP】ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)大手フェースブック(Facebook)の創業者マーク・ズッカーバーグ(Mark Zuckerberg)氏は、米サンフランシスコ(San Francisco)で23日に開催した開発者向けの年次会議「F8」で、フェースブックを中心としたインターネットの未来像について語った。

 前年の同会議では、フェースブック・プラットフォームのオープンソース化が発表された。このオープンソース化で、同社の人気は一躍高まった。

 ズッカーバーグ氏によると、フェースブックのユーザー数は、前年の2400万人から1年間で、9000万人に激増したという。SNS業界のトップは依然としてマイスペース(MySpace)だが、同業界マーケティング会社ヒットワイズ(Hitwise)によれば、2位フェースブックとの差は縮まっているという。

 今年の会議でズッカーバーグ氏は、出席した多数のソフトウエア開発者に対し、オープンソース化について「昨年、皆の手でこの運動が開始された」と述べ、同氏が家族や友人、同僚など日常生活で接する親しい人々のネットワークを示す「ソーシャルグラフ」を、それまでの抽象的だったものから、社会運動に転換することに成功したと語った。

 同社はその役割を、インターネット技術を通じ、ユーザーがそれぞれ望む方法や相手と容易に個人情報を共有できるようにすることだとしている。

 フェースブックは前年、会員ユーザーのプロフィール・ページで利用できる「ヒップで楽しく機能的な」アプリケーション開発を、サードパーティー開発者にオープンで制作させた。

 また、フェースブック周辺では「エコシステム」が数十億ドル規模に成長。カスタムアプリケーション開発企業のZyngaFlixsterLivingSocialなどはベンチャー投資家から数百万ドル規模の投資を受けている。

 同氏は出席者に対し、今後も外部開発者とより密接に提携する意向を明らかにした。

 ズッカーバーグ氏は一方、「われわれはたくさん失敗し、学ぶべき事も多い」と述べ、「われわれのエコシステムの善良な市民に恩恵を与えるには至っていない。また、不正なアプリケーションを罰することも十分に行っていない」と自省した。

■拡張プログラムサービスなどを発表

 同社が20日にプレビュー用に公開した、リニューアルされたプロフィール・ページも紹介された。また「重要かつ信頼に値し、デザイン性の良い」プログラムに優先権を与える「Great Apps」プログラムも公開すると発表した。

 国際的にも拡大しているフェースブックは、サードパーティー開発者が同社の翻訳プログラムを使用できるようにすると発表。このプログラムを使用し、フェースブックが使用可能な、どの国の言語にも対応できるようになる。

 また、DiggMoveable TypeCity Searchなどが、ウェブサイトでの「Facebook Connect」の採用を発表した。(c)AFP/Glenn Chapman