【7月9日 AFP】ソフトバンクモバイル(Softbank Mobile)は米アップル(Apple)の携帯電話端末「iPhone(アイフォーン)3G」を、11日正午より販売開始する。

 熱烈なアップルファンは、iPhone3Gを誰よりも先に手に入れる興奮を味わうためには、睡眠や快適さを犠牲にすることをいとわない。同日朝7時から先行発売する渋谷区表参道のソフトバンク直営店「ソフトバンク表参道」の前では、2日前にもかかわらず、すでに30人ほどが購入の列を作っている。

 先頭に並んだ大学院生(25)は「アップルの大ファンで楽しみにしている。iPhoneは他の携帯と比べ優れている」と語った。
 
 アップルのTシャツを着たこの男性は、8日早朝に名古屋(Nagoya)から到着した。1日半を折りたたみのいすに座って過ごし、近くのコンビニエンスストアで買った食品で食事を済ませているという。

 iPhone3Gは、初代iPhoneと比べ通信速度が2倍に向上したが、価格は半額に抑えられている。東京、シドニー(Sydney)など世界数都市で11日発売となるが、ソフトバンクモバイルでは、一定期間は販売台数を1人1台に制限する方針を示している。

 専門家は、日本ではテレビ視聴やクレジットカード同様に支払いに利用できる機能を持つ携帯電話が普及していることから、いずれの機能ももたないiPhoneは苦戦を強いられると分析している。さらに日本では東京を含め、無線LANでインターネットを無料利用できるエリアが欧米の主要都市に比べて少ない。

 国内携帯市場における厳しい競争に直面し、ソフトバンクではiPhoneが新たな利用者獲得に貢献すると期待している。

 ソフトバンク広報は、「iPhoneは他社のユーザーがソフトバンクに切り替えるいい機会だと期待している」と他社からの乗り換えに期待を示した。

 iPhone3Gの販売は現在ソフトバンクモバイル1社だが、独占契約ではなく、他社もアップルとの販売契約を獲得しようとしのぎを削っている。(c)AFP