【7月2日 AFP】米ソフトウエア最大手マイクロソフト(Microsoft)は2日、自然言語検索を専門とするPowersetの買収を発表した。

 マイクロソフトは、同社の検索サービス「ライブサーチ(Live Search)」でPowersetの検索技術を利用する。ライブサーチは、検索サイトに連動した広告市場のシェアでグーグル(Google)やヤフー(Yahoo)に抜かれ、窮地に立たされていた。

 Powersetの「自然言語検索」技術は、質問形式で入力された語句やひとつながりの語句をもとに検索結果を表示するもの。単語に対する検索結果を表示する既存の検索エンジンとは異なる技術を用いている。

 マイクロソフトの「サーチ、ポータル&アドバタイジング・プラットホーム・グループ」担当上級副社長サティヤ・ナデラ(Satya Nadella)氏は、「1度目の検索の1度目のクリックで望む検索結果を得られない場合は、全検索の3分の1に上る」と説明。現在の検索エンジンは「shrub(低木)」と「tree(木)」が関連性のある単語であることを理解できず、また、ある特定のサイトで「cancer」が「癌(がん)」と「かに座」のどちらの意味で使用されているかを判別することができないと述べた。

 Powersetは、人気オンライン百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」の記事を自然言語で検索することのできるサイトを新たに立ち上げたばかりだった。

 Powersetは2005年、カリフォルニア(California)州サンフランシスコ(San Francisco)で設立された。買収後もサンフランシスコの事務所で開発を続ける。買収額については、発表されていない。(c)AFP