【3月21日 AFP】米連邦通信委員会(FCC)が実施した700MHz周波数帯のオークションで、米携帯電話大手のベライゾン・ワイヤレス(Verizon Wireless)と米通信大手AT&Tがその大半を落札した。一方、米インターネット検索大手グーグル(Google)は、同社が要請していた「オープンアクセス」の条項を競売ルールに盛り込むことに成功した。

 700MHz周波数帯は現在テレビ放送に使われているが、2009年2月17日のデジタル放送への完全移行にともなって未使用となる。同周波数帯は信号が遠距離まで届く上、現在使用が許可されている1部の無線周波数スペクトルに比べて、ビルなどの障害物の通過率が高く、通信業者に好まれている。そのため全米で、高速通信と携帯電話向けインターネットサービス用の媒体となる見通しだ。

 グーグルはFCCに対し、オークションに参加する条件として、700MHz周波数帯の1部を「オープンアクセス」、つまり同周波数を落札者以外の事業者が提供する端末やソフトなどでも使えるように通信網を開放するとの条項を競売ルールに盛り込むよう要求していた。

 オークションの結果、ベライゾン・ワイヤレスは94億ドル(約9300億円)で700MHz周波数帯ライセンスの大半を、AT&Tは66億ドル(約6600億円)で地域別ブロックライセンスの大半を落札。

 一方、グーグルの入札額は最低競売価格の46億ドル(約4600億円)をわずかに上回るにとどまった。だが、同社が希望していた通り、「オープンアクセス」の条項が競売ルールに盛り込まれた。

 グーグルは競売で落札はできなかったが、700MHz周波数帯を使って携帯電話向け高速通信を提供する保障を得たことになる。

 FCCはオークションで196億ドル(約1兆9000億円)の収入を得た。(c)AFP/Glenn Chapman