【3月12日 AFP】インターネット検索大手の米グーグル(Google)は11日、ネット広告大手ダブルクリック(DoubleClick)の買収を完了したと発表した。この発表に先立ち、欧州連合(EU)の欧州委員会(European Commission)は同日、グーグルによるダブルリック買収で消費者に悪影響を与えることはないとの判断を下している。

 グーグルのエリック・シュミット(Eric Schmidt)会長兼CEO(最高経営責任者)は、「ダブルクリックの買収が完了し、興奮している。グーグルはこれで、ネット広告業界の先頭に立ち、技術的にもインフラ的にも業界の進歩に素早く対応できるようになった。広告主や広告代理店に向けて、デジタルメディアの効果や可測性、パフォーマンスを劇的に改善できるだけではなく、より適切にユーザーに広告を表示できる」と自信を見せた。

 グーグルは2007年4月、ダブルクリックの買収で31億ドルを提示し、競っていたソフトウエア最大手マイクロソフト(Microsoft)を退けた。しかし、グーグルによる買収で、個人情報侵害や独占禁止法に抵触する恐れがあるとして、欧州委員会と米連邦取引委員会(Federal Trade CommissionFTC)が調査していた。

 個人情報の保護を訴える団体なども、個人のネット利用履歴がグーグルの手に渡ると懸念を示していたが、FTCが昨年12月に、買収を承認。ECも、「グーグルによる買収を法的に差し止める権限はなく、独占禁止法に抵触していない」と判断した。(c)AFP