【3月7日 AFP】米国防総省は6日、インターネット検索最大手グーグル(Google)に対し、米軍基地の詳細な画像の撮影と公開を禁止したと発表した。軍関係者がグーグルの提供するウェブサービス「グーグル・マップ(Google Maps) 」で、テキサス(Texas)州のフォート・サム・ヒューストン(Fort Sam Houston)米軍基地の詳細な画像が公開されているのを発見したため。グーグルは、米軍の要請にしたがって問題の画像を削除した。
 
 国防総省の声明によると、米軍基地の「地上で撮影された詳細な画像」がグーグル・マップ上で閲覧可能になっていた。360度のパノラマ画像には、出入管理施設、フェンス、本部施設など複数の施設の画像が含まれていたとしている。

 グーグルによれば、同社のスタッフは以前からグーグル・マップの機能の1つ、「ストリート・ビュー(Street View)」用の画像とデータを得るため、許可を受けた上でルーフトップに撮影機材を搭載した車両で軍の基地に乗り入れていたが、これは保安上の危険を招きかねない行為で、公共に開放されていない施設や私道のマッピングは行わないとする同社の方針にも反していた。

 約10日前に撮影車両の1台がフォート・サム・ヒューストン基地に入ってよいかと訊ね、許可を受けた上で基地内の撮影を行ったという。グーグルの広報ラリー・イー氏は「当社のドライバーの1人が当社の方針を破ったため、全ドライバーに対し、軍事基地に入ってよいか訊ねたり、私道に入ったり、『立ち入り禁止』の標識を無視したりしないように改めて注意を促した」と述べた。

 国防総省は、軍事施設の詳細な位置が分かる写真が公開されると安全保障上の問題があるとして、基地司令官の許可がない限り、基地周辺でのパノラマ画像の撮影などを禁止する通達を出した。(c)AFP