【2月22日 AFP】3月8日に総選挙を控えたマレーシアで、同国政府はインターネット上のブログで野党に好意的な書き込みを行っているブロガーらを非難し、今後も書き込みを監視していくと警告した。英字紙「スター(Star)」が22日、報じた。

 報道によると、アザリナ・オスマン(Azalina Othman)青年スポーツ相は、こうしたブログの書き込みは内務省が主要メディアしか監視していないとみた野党がメッセージ発信に利用しているものだとして、このようなブロガーは「腰抜けで与党にとって不愉快な存在だ」と非難した。

 マレーシア政府は以前からブロガーに対し、状況によっては国内治安法に基づき裁判なしで拘束すると警告している。

 マレーシアの主要紙やテレビ局のほとんどが与党系の選挙関連報道で独占され、野党の活動が取り上げられることはほとんどない。

 その他の主要メディアでも検閲が厳しいことから、ブログやSMS(ショートメッセージサービス)、動画投稿サイトユーチューブ(YouTube)などが野党の選挙活動の拠りどころだ。野党は、こうしたインターネットサービスを活用し、若者や知識層、都市部の有権者などに向けてメッセージを積極的に発信している。

 国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団(Reporters Without BordersRWB)」の「報道の自由度指標」によると、マレーシアは全169か国中124位。またRWBは、マレーシアでは「主要メディアの主張や野党の活動の多くが無視されている」と指摘している。(c)AFP