【2月22日 AFP】フェースブック(Facebook)などに代表されるソーシャルネットワーキングサイト(SNS)の利用者は、近いうちに携帯電話を利用して仲間の正確な居場所をリアルタイムで知ることができるようになるかもしれない。

 前週、スペインのバルセロナ(Barcelona)で開かれた世界最大規模の携帯電話関連展示会「GSMA Mobile World Congress」で、新たなSNS「Gypsii」が発表された。これを利用すれば、通信相手がすぐ近くにいても、それとも海を越えた向こうにいても、携帯電話を用いて正確な位置をつかむことができるという。

 Gypsiiの製作責任者Toon Wee氏はマンハッタン(Manhattan)の地図の中央に示されたカラーのピンを示し、「見てください。今わたしの友人のビル(Bill)はニューヨーク(New York)にいます。3800マイル(約6000キロ)離れています」と述べた。

 このソフトウエアを使うと、人や場所、その地域のイベントを探せるほか、写真、動画、音声ファイルなどを友人と共有できるが、現時点では1部の最上位機種でしか利用できない。

 Gypsiiを開発した会社の設立者でCEOのDan Harple氏は「Gypsiiのリアルタイム位置情報機能は、SNS現象に新たな展開をもたらすだろう」と自信をのぞかせる。

 携帯電話の位置を特定する方法は2つある。1つは衛星利用測位システム(GPS)チップを利用するもので、地球を周回している1群の衛星と通信することで位置を特定する。もう1つは三角測量によるもので、携帯電話から付近の複数の中継塔に送られた信号の速度を測定することで、位置が決定される。

 こうした位置情報技術を危険な監視装置だと考える人もいれば、友人を探すことのできる気の利いた道具ととらえる人もいる。いずれにせよ、同展示会に出席した人の多くは、この技術は今後成長していき、それに関連するソフトはまだ開発され始めたばかりだとみている。(c)AFP/Adam Plowright