【2月21日 AFP】米ソフトウエア大手アドビシステムズ(Adobe Systems)は19日、マルチメディア編集ソフトの最新版「Director 11」を発表した。同社が1990年に発売し、デジタル画像処理・加工の標準化ソフトとなった「Photoshop」と同様、「Director 11」を映像やビデオゲーム開発の標準ソフトにしたい構えだ。

 サンフランシスコ(San Francisco)で開催中のゲーム開発者向けカンファレンス「GDC(ゲーム・ディベロッパーズ・カンファレンス、Game Developers Conference)2008」で発表された「Director 11」は、3月から発売が開始される。価格は一般向け999ドル(約10万7800円)、教育関係者向け99ドル(約1万7800円)を予定している。

 さまざまな言語環境での開発が可能な「Director 11」は、より簡単な操作で映像や音声を扱い、ビデオゲーム用の3Dグラフィックや、バーチャル世界の構築、インタラクティブな店舗などを作成することができる。

 同社のシニア・プロダクト・マネジャー、リック・ジョーンズ(Rick Jones)氏はAFPの取材に対し、「デジタル・リテラシーがもたらされる。ユーザー生成型コンテンツの世界は拡大し続けており、より多くの人々がクリエーターとして自分で映像を扱うようになる。これまで写真を撮る人々にPhotoshopが提供したようなツールを、映像作成者に送り出す」と述べた。

「Director」は、20年前に最初のバージョンが発売され、アップグレードは2004年以来。ゲーム市場が、健康やトレーニング、教育といった娯楽以外の分野にまで広がる中、アドビでは「Director 11」をそうしたゲームの開発者に浸透させたい狙いだ。

 また、「Director 11」は同社の動画用ソフト「Flash」と組み合わせたオンライン・ゲームの開発も可能。ジョーンズ氏は「Director 11は、これまで高度な開発スキルのなかったFlashユーザーでも活用できる。エントリーレベルのユーザーが自分の好きな選択肢でコンテンツを作成し、自然に3D化できる」としている。(c)AFP