【1月11日 AFP】インターネットのモバイル化が加速し、最新機器の開発が進むなか、デジタル地図・ナビゲーションソフト分野ではオランダの地図コンテンツプロバイダー、テレアトラス(Tele Atlas)と米ナビゲーションソフト大手、ナブテック(Navteq)の2社が、同分野でのさらなる開発を目指すべく、文字通り世界を駆けめぐって情報収集に励んでいる。

 両社のデジタル地図は現在、地図情報提供サービスの向上に注力するグーグル(Google)、ヤフー(Yahoo)、マイクロソフト(Microsoft)などの検索大手の地図検索サービスに活用されている。

 テレアトラスのジョン・ベイツ(John Bates)氏は「当社は世界中を網羅するデジタル地図を製作中だ。しかも3Dで」と誇らしく語る。

 同社はラスベガス(Las Vegas)で10日閉幕した世界最大の家電見本市「2008国際コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」で、デジタル地図用のデータ収集に用いるミニバンを披露。このミニバンには、ルーフにカメラ8台とレーザーセンサー1台が搭載されている。

 これらのカメラは360度全方向の撮影が可能で、交通標識や制限速度表示の情報を収集するほか、レーザーセンサーで建物正面入り口の様子を記録し、建築物の大きさの測定も可能だという。このほかにも、現在地を1メートル以内の誤差で特定できるGPSを搭載している。

 同社ではすでに205以上の国や地域でデータを収集したという。

 テレアトラスもナブテックも、こうした特殊車両を用いて収集したデータに、衛星データ、公的記録、政府記録など、信頼性の高い各種交通情報を加えて、さらなる情報量増強を図っている。 

 さらにテレアトラスは現在、世界中の主要都市の地図情報の3Dデジタルデータ化も進めている。最終的にはすべてのデータを3D化して、オンラインで提供する計画だという。

 一方ナブテックは、すでに700以上の解析データを収集。72か国で2000万キロに及ぶ距離を走り、常にデータを検証・更新している。同社は「ヌーディスト立ち入り禁止」のような珍妙な交通標識のデータまで収集しているそうだ。

 ナビゲーションシステムのユーザーが最寄りのガソリンスタンドや駐車場をリアルタイムで容易に探せるのも、こうして収集されたデジタル地図データが、最新型のモバイル機器やソフトウエアに導入されているおかげだ。

 輸送業界ではこうしたナビゲーションシステムを活用し、道路の傾斜が燃費に及ぼす影響まで考慮したうえで、目的地までの最短・最速ルートを決めているという。(c)AFP/Glenn Chapman