2007年のネット世界はSNSが大躍進
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【12月24日 AFP】2007年、インターネット上を最も賑わせたのはソーシャルネットワーキングサービス(SNS)だ。SNSは気まぐれな10代の若者から交際相手を探すシニア世代まで、多くの人々をひきつけた。
インターネット検索最大手グーグル(Google)が発表した「2007年版グーグル・ツァイトガイスト(時代思潮)・リスト(Zeitgeist 2007)」では、2007年に最も多く検索された言葉ベスト10のうち7つがSNSに関するものだった。
検索エンジンサイト関連では、英国のBadoo(2位)、米資本のフェースブック(Facebook、3位)、Hi5(スペイン語版、9位)などがランクイン。
画像共有サイトからは、最大手ユーチューブ(YouTube、6位)、Dailymotion(4位)のほか、子供向けSNS型オンラインゲーム「クラブ・ペンギン(Club Penguin)」(10位)が入った。
ユーザーがオンライン上の仮想世界の住人となって仮想生活を楽しむ「セカンドライフ(Second Life)」(8位)は、SNS仮想世界サイトから唯一トップ10入りを果たした。
■「SNSの増加はウェブ進化の1ステップ」
SNS大手マイスぺース(MySpace)のAmit Kapur事業開発部門副部長は、これらは膨大なSNSコミュニティーのほんの一部に過ぎないと語る。
「ウェブが進化する過程で、SNSが出現したのはごく自然な現象だ。今後、ウェブはさらに個人主義的な方向に向かい、われわれはそのような現象をオンライン上で日常的に経験することになる」(Kapur氏)
マイスぺースは、ユーザーが自身のプロフィールを掲載したり、好みに応じて音楽やビデオ、ニュースなどのコンテンツを作成し、会員同士の交流を促進することを目的としたオンラインコミュニティーサイトだ。マイスペースは「次世代ポータルサイトだ」とKapur氏は説明する。
米国では4人に1人がマイスペースのユーザーだ。英国でも、マイスペースに自身のプロフィールを掲載するのは、ペットにイヌを選ぶことと同じくらい「当たり前」となっている。
「元来人間は社交的な動物で、SNSを使うことによってまったく規模の違う社交を行うことが可能になる」と、米カリフォルニア(California)州スタンフォード大学(Stanford University で仮想人間相互作用を研究するJeremy Bailenson教授は説明する。
■「理想の自分として他者と交流」
同教授によると、ロールプレイングゲームや仮想世界が人気なのは、ユーザーが「自身が理想とする人物」となって他者とコミュニケーションを図ることを可能とするからだという。
「例えば、どんな年齢になることも自由だ。永遠に20歳でいることだって可能だ。好きな服を着られるし、男にでも女にでもなれる。そして、同時に無数の人々とコミュニケートできるんだ」(Bailenson教授)
Bailenson教授の研究室では、好みに応じた表情や仕草をカスタマイズできる、人間の顔の3次元モデルの制作に取り組んでいる。
「自分のデジタル版分身をつくれば、自分が死んだ後でも、孫やその孫にも、おとぎ話を読んで聞かせてあげることもできる。仮想世界に生きる人物は不老不死だからね。とにかく、みんな仮想世界が大好きなんだ」(Bailenson教授)
インターネットを享受している傾向は若い世代ほど顕著だ。すでにインターネットは、彼らの生活に欠かせない一部となっている。Bailenson教授は、ネット上のコミュニケーションは「直接、顔を合わせたコミュニケーションの代替にはならない」としながら、「社会的コミュニケーションを維持する新たな形だといえる。ネット上の関係は知らない間に消えることはないからだ」と語る。
フォレスター・リサーチ(Forrester Research)の主任アナリストJeremiah Owyang氏も、高速インターネット網が完備している所には、必ずSNS現象が巻き起こっていることを認めている。
■韓国でもSNSは大流行
韓国のSNSサイトCyworldは、同国のインターネットユーザーの85%が利用しており、ある有名企業では、従業員のボーナスがCyworld上の仮想世界の通貨で支払われたという。
こうしたサイトが提供するフォーラムでは、商業や広告活動、ビジネス会議までが行われている。
マイスペースのKapur氏は、携帯機器でネット接続が可能となることで、SNSコミュニティーの輪はより国際的でユビキタスな存在となるだろうと予測している。
SNSの大人気現象は、企業家や投資家をも惹きつけた。マイクロソフト(Microsoft)は、フェースブックに2億4000万ドルを投資したほか、香港の大富豪、李嘉誠(Li Ka-shing)氏も同社に6000万ドル(約67億円)を出資している。
一方、マイスペースは自社の市場価値について、「Facebookの3倍程度」というほかは明らかにしていない。(c)AFP/Glenn Chapman
インターネット検索最大手グーグル(Google)が発表した「2007年版グーグル・ツァイトガイスト(時代思潮)・リスト(Zeitgeist 2007)」では、2007年に最も多く検索された言葉ベスト10のうち7つがSNSに関するものだった。
検索エンジンサイト関連では、英国のBadoo(2位)、米資本のフェースブック(Facebook、3位)、Hi5(スペイン語版、9位)などがランクイン。
画像共有サイトからは、最大手ユーチューブ(YouTube、6位)、Dailymotion(4位)のほか、子供向けSNS型オンラインゲーム「クラブ・ペンギン(Club Penguin)」(10位)が入った。
ユーザーがオンライン上の仮想世界の住人となって仮想生活を楽しむ「セカンドライフ(Second Life)」(8位)は、SNS仮想世界サイトから唯一トップ10入りを果たした。
■「SNSの増加はウェブ進化の1ステップ」
SNS大手マイスぺース(MySpace)のAmit Kapur事業開発部門副部長は、これらは膨大なSNSコミュニティーのほんの一部に過ぎないと語る。
「ウェブが進化する過程で、SNSが出現したのはごく自然な現象だ。今後、ウェブはさらに個人主義的な方向に向かい、われわれはそのような現象をオンライン上で日常的に経験することになる」(Kapur氏)
マイスぺースは、ユーザーが自身のプロフィールを掲載したり、好みに応じて音楽やビデオ、ニュースなどのコンテンツを作成し、会員同士の交流を促進することを目的としたオンラインコミュニティーサイトだ。マイスペースは「次世代ポータルサイトだ」とKapur氏は説明する。
米国では4人に1人がマイスペースのユーザーだ。英国でも、マイスペースに自身のプロフィールを掲載するのは、ペットにイヌを選ぶことと同じくらい「当たり前」となっている。
「元来人間は社交的な動物で、SNSを使うことによってまったく規模の違う社交を行うことが可能になる」と、米カリフォルニア(California)州スタンフォード大学(Stanford University で仮想人間相互作用を研究するJeremy Bailenson教授は説明する。
■「理想の自分として他者と交流」
同教授によると、ロールプレイングゲームや仮想世界が人気なのは、ユーザーが「自身が理想とする人物」となって他者とコミュニケーションを図ることを可能とするからだという。
「例えば、どんな年齢になることも自由だ。永遠に20歳でいることだって可能だ。好きな服を着られるし、男にでも女にでもなれる。そして、同時に無数の人々とコミュニケートできるんだ」(Bailenson教授)
Bailenson教授の研究室では、好みに応じた表情や仕草をカスタマイズできる、人間の顔の3次元モデルの制作に取り組んでいる。
「自分のデジタル版分身をつくれば、自分が死んだ後でも、孫やその孫にも、おとぎ話を読んで聞かせてあげることもできる。仮想世界に生きる人物は不老不死だからね。とにかく、みんな仮想世界が大好きなんだ」(Bailenson教授)
インターネットを享受している傾向は若い世代ほど顕著だ。すでにインターネットは、彼らの生活に欠かせない一部となっている。Bailenson教授は、ネット上のコミュニケーションは「直接、顔を合わせたコミュニケーションの代替にはならない」としながら、「社会的コミュニケーションを維持する新たな形だといえる。ネット上の関係は知らない間に消えることはないからだ」と語る。
フォレスター・リサーチ(Forrester Research)の主任アナリストJeremiah Owyang氏も、高速インターネット網が完備している所には、必ずSNS現象が巻き起こっていることを認めている。
■韓国でもSNSは大流行
韓国のSNSサイトCyworldは、同国のインターネットユーザーの85%が利用しており、ある有名企業では、従業員のボーナスがCyworld上の仮想世界の通貨で支払われたという。
こうしたサイトが提供するフォーラムでは、商業や広告活動、ビジネス会議までが行われている。
マイスペースのKapur氏は、携帯機器でネット接続が可能となることで、SNSコミュニティーの輪はより国際的でユビキタスな存在となるだろうと予測している。
SNSの大人気現象は、企業家や投資家をも惹きつけた。マイクロソフト(Microsoft)は、フェースブックに2億4000万ドルを投資したほか、香港の大富豪、李嘉誠(Li Ka-shing)氏も同社に6000万ドル(約67億円)を出資している。
一方、マイスペースは自社の市場価値について、「Facebookの3倍程度」というほかは明らかにしていない。(c)AFP/Glenn Chapman