【10月16日 AFP】動画共有サイト「ユーチューブ(YouTube)」は15日、著作権侵害にあたる投稿ビデオを自動的に削除するソフトウェアを試験導入したと発表した。

 今回導入された自動フィルタリングソフト「YouTube Video Identification」は、ユーチューブを前年、傘下に収めた検索大手グーグル(Google)との共同開発によるもの。

 映像著作権の所有者が事前にユーチューブに映像情報を提供することで、同ソフトが不正映像を自動的にブロックする仕組み。著作権所有者が希望すれば、サイト上での広告販売も可能とした。

 同ソフトは現在ベータ版だが、ユーチューブは、さらに機能を高めたうえで本格導入を目指したいとしている。

 ユーチューブ買収以降、グーグルは十分な著作権対策を講じていないとして、米メディア大手バイアコム(Viacom)やイングランド・サッカー協会などから非難されてきた。

 不正映像がサイト上で流通するのを黙認しているとして、バイアコムがユーチューブを相手取って起こした数十億ドル規模の訴訟は、現在も審理中だ。

「YouTube Video Identification」導入の背景には、著作権所有者からのこうした重なる批判がある。

 批判を受けユーチューブではこれまでにも、著作権侵害の報告に対しては該当映像を削除するなどの対策をとってきたが、それだけでは不十分との声があがっていた。

「YouTube Video Identification」が、不満を募らせていた著作権所有者らを満足させることができるか否かは、まだ様子見といったところだ。(c)AFP