【9月28日 AFP】米ソフトウエア大手のマイクロソフト(Microsoft)は27日、検索サービス「Live Search」の新バージョンの提供を開始した。検索精度と機能を大幅に強化して、インターネット検索大手のグーグル(Google)とヤフー(Yahoo)への追い上げを図る。

 強化版のLive Searchは米国で1週間かけて導入され、米国外でも10月末までに提供を開始する。カリフォルニア(California)州マウンテンビュー(Mountain View)のマイクロソフト社内で開かれた招待者限定の説明会で担当者は、Live Searchの検索機能は「飛躍的な進歩を遂げた」と説明。「これでグーグルと肩を並べたと言える」と胸を張った。

 検索結果を引き出すために使うウェブページの量は4倍に増やし、ユーザーが入力する検索用語があいまいだったりつづりが間違っていても目的の用語を推定できるよう、ソフトウエアを改良した。検索機能は大まかに言うと人間の脳の働きに似せてあり、単にウェブページに記載された単語を探すのではなく、検索用語の相関関係まで判断できるという。

 マルチメディア検索も強化され、検索結果ページには、関連図、地図、ビデオ、画像を表示。3D地図サービスも組み込まれたほか、米国で人気の携帯端末「ブラックベリー(Blackberry)」からも利用できる。ニュースやトレンドに加えてセレブのゴシップ検索も可能だ。「X-Rank」という機能では、ネット上で最も注目を浴びているセレブと、そのセレブについてのゴシップ内容が表示される。

 ビデオ検索では映画の予告編のような形でコンテンツの見せ場を結果ページに表示し、ユーザーがその動画を見るかどうかを決めることができる。ショッピング検索には製品ガイドと論評が付き、ヘルス検索ではプライバシー保護のために暗号化された情報を使ってネット上の医療データを検索できる。健康関連の検索記録は90日たつと削除されるという。

 2006年の統計によると、インターネット検索の世界最大手はグーグルで、ヤフーは2位。マイクロソフトのMSNに替わって登場したLive Searchは3位だが、これまでのところ上位2社に大きく引き離されている。

 マイクロソフトはLive Search刷新のために費やした額は明らかにせず、グーグルとヤフーに追いつくために「相当」の投資を行っていると述べるにとどめた。

 説明会に参加した調査会社ガートナー(Gartner)のアナリスト、Van Baker氏はAFPの取材に対し「これまでのLive Searchでは検索結果の適合性に大きな不満があった。適合性でグーグルに劣っていた。しかしマイクロソフトは追いつきつつあると思う。問題は、それをどう伝えるかだ。インターネットユーザーに、もう1度Live Searchを使ってみようと思わせる必要があるのに、それが欠けている」と話している。(c)AFP