【6月25日 AFP】25日午前の株式市場で、任天堂株が一時4万6350円をつけ、時価総額でソニーを上回った。「スーパーマリオ」「ドンキーコング」の生みの親である任天堂が、次世代ゲーム機「Wii」の成功を追い風に業界ライバルのソニーを激しく追撃している。

 25日午前の株式市場で任天堂の株価は一時4万6350円を記録し、時価総額は約6兆5600億円となった。同時点でソニー株は6460円まで下落しており、それに基づく時価総額は6兆5000億円。ソニーのゲーム部門に対する投資家見通しが不透明であることを反映した。

 携帯型ゲーム機では圧倒的な人気を誇ってきた任天堂は、体の動きに反応する「モーション・センシティブ」コントローラーを備えた次世代ゲーム機Wiiでソニーの牙城である家庭用ゲーム機市場に攻勢をかけている。

プレイステーション3PS3)」に起死回生をかけていたソニーは生産や発売の遅れなどで出遅れた。一方、従来のゲームファンだけでなく、幅広い顧客層を狙った任天堂Wiiは順調に売り上げを伸ばし、米国や日本など主要市場での販売台数でPS3を数倍上回っている。出版社エンターブレイン(Enterbrain)の調査では、5月時点での日本における販売台数はPS3の5倍。また4月時点での米国におけるWiiの販売台数はPS3の4倍となっている。

 任天堂の2007年3月期における純利益は77.2%増の1743億円、同時期のソニーは2.2%増で1263億3千万円となっている。(c)AFP