リアーナの写真がきっかけでタイの「スローロリス」所有者逮捕
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【9月24日 AFP】タイ当局は23日、保護の対象になっている霊長目の動物「スローロリス」を所有していた疑いで21日に男2人を逮捕していたことを明らかにした。きっかけは、タイ訪問中の歌手のリアーナ(Rihanna)さんが20日にインターネットに投稿したスローロリスを抱いている写真だった。
スローロリスは、大きな目を持つ小型の動物。リアーナさんは、観光リゾート地のプーケット(Phuket)で夜間に外出した際にこの動物と一緒に写真撮影し、マイクロブログのツイッター(Twitter)と写真共有サービス「インスタグラム(Instagram)」に投稿した。タイでは記念撮影にスローロリスを使うことは法律で禁止されているが、リアーナさんはそのことを知らなかったようだ。
インターネットに掲載された画像は、タイの観光地で動物が観光客の意のままに扱われていることを心配する動物愛好家の間に激しい怒りを生み、当局は迅速な対応を迫られた。地方当局はその後、スローロリスを所有していた疑いで21日に男2人を逮捕したと発表した。
野生動物取引を監視するNGO「トラフィック(TRAFFIC)」によると、スローロリスを抱いたリアーナさんの画像は動物保護に力を注ぐ世界の歩みを数歩後退させるものだという。人はしばしば尊敬する相手の言動がきっかけとなって行動するため、有名人の振る舞いを「問題ない」ことだと判断して真似する危険性があるという。
スローロリスは国際商業取引が禁止され、タイで保護動物の対象となっている。(c)AFP