【8月7日 AFP】英ロンドン(London)の下水管から、名物の2階建てバスとほぼ同じ大きさの腐敗した食用油の塊が10日がかりで除去された。英水道大手テムズ・ウォーター(Thames Water)が6日、発表した。排水溝に流された食用油が下水管に付着し固まったもので、同社は氷山(アイスバーグ)になぞらえ「英国史上最大のファットバーグ」だと述べている。

 重さ15トンにもなるという巨大な食用廃油の塊が見つかったのは、ロンドン南西部にある高級住宅街キングストン(Kingston)の幹線道路の下を走る下水管。地元住民からは、トイレが流れないとの苦情が出ていた。

 テムズ・ウォーターは声明で、「下水管は15トンの廃油でほとんど詰まっていた。発見が遅れていれば、キングストン中のマンホールから未処理の汚水が噴き出していたかもしれない」と説明。下水管も損傷しており「修理には最大6週間かかる」としている。

 下水管内部の写真からは、70センチ×48センチの下水管の95%が大量の腐敗した油によって詰まってしまっている様子が分かる。

 テムズ・ウォーターによると、同社はこれまでもロンドン市内の下水管から大量の廃油の塊を除去してきたが、1か所にこれほど巨大な塊が詰まっているのを発見したのは今回が初めて。「わが社が英国最大の水道会社であることを考えれば、英国最大のファットバーグだと思われる」と述べている。

 除去作業に当たった廃棄物処理会社カウンティクリーン(CountyClean Environmental Services)はAFPの取材に対し「除去した油は全て再利用する。水分を取り除いて残った油分は、石けんやバイオディーゼル燃料などに生まれ変わる」と話した。(c)AFP