【6月26日 AFP】特徴的なオレンジ色がかった赤色の羽毛を頭部に生やした新種の鳥が、カンボジアの首都プノンペン(Phnom Penh)で発見された。自然保護活動家らが26日、発表した。

「カンボジアサイホウチョウ(Cambodian tailorbird)」(学名:Orthotomus chaktomuk)と名付けられたこの鳥が、人口150万人の大都市プノンペンの市内や郊外の建設現場など複数の場所で発見されたことに、保護活動家らは驚きの声を上げている。

「大都市圏内で新種の鳥が現代になって発見されるのは、珍しい。とても驚いている」と、自然生物保護協会(Wildlife Conversation SocietyWCS)のサイモン・マフッド(Simon Mahood)氏はAFPに語った。

 喉元の羽毛は黒色で、体の大きさは、よりありふれたスズメ目の小鳥ミソサザイと同程度。市内低地のうっそうと茂った低木林や、市郊外の氾濫原に生息していたため、これまで発見されなかったのだろうとWCSは述べている。

「特徴的な羽毛と大きな鳴き声」が特徴のこの鳥は、WCSやバードライフ・インターナショナル(BirdLife International)などの保護団体の科学者らが発見した。

 マフッド氏によると、調査チームは昨年6月に鳥の調査を始めた。生息圏が大都市にもかかわらず、今のところ絶滅の恐れはないという。

 だがWCSは、農業と都市部の拡大により「生息地が減少している」として、国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)のレッドリスト(Red List)における「準絶滅危惧(NT)」に分類するよう推奨している。

 WCSの鳥類保護調整担当者、スティーブ・ザック(Steve Zack)氏は「保護に必要なものを判断するために、分布と生態」についてのさらなる調査が必要だと語った。(c)AFP