【6月20日 AFP】インドネシア・スマトラ(Sumatra)島で発生している大規模な火災を大雨によって鎮火し、隣国シンガポールの上空までを厚く覆っている煙霧を解消するため、インドネシア政府は人工降雨を計画中だ。林業省(Forestry Ministry)の関係者が19日、明らかにした。火災はリアウ(Riau)州の泥炭地を中心に続いている。

 人口530万人が暮らすシンガポールの政府はインドネシア政府に対し、消火活動の強化を要請していた。今回の火災で、シンガポールでは大気汚染がここ16年で最悪のレベルに達している。

 計画では、スマトラ島上空にヘリコプターを飛ばし、雲に化学物質を注入。重たい氷の結晶の生成を誘発することによって、降雨を促す。しかし、実施に向けては準備期間が必要であることから、ヘリコプターを導入できるのは早くても21日だという。

 鎮火にあたってきた約100人の消防士たちは、アブラヤシ農園が大半を占める炭素含有量が多い泥炭地では、消火活動が非常に困難だと訴えていた。(c)AFP