【6月12日 AFP】フランスの電気自動車(EV)シェアリング事業者が、米国トップクラスのカーレースイベントの開催地に目を付けた──インディアナポリス(Indianapolis)だ。

 パリ(Paris)でEVシェアリング事業を成功させた仏ボロレ(Bollore)は来年初め、EV500台、充電ステーション1200か所を、インディアナポリス500(Indianapolis 500)の開催地に導入する計画を立てている。

 総額3500万ドル(約34億円)の同プロジェクトは、ボロレ初のフランス国外での自動車シェアリング事業で、米国の各都市に進出する第一歩となる。

 ニューヨーク(New York)やシカゴ(Chicago)、サンフランシスコ(San Francisco)などの大都市と異なり、自動車シェアリングプログラムや公共交通機関の発達していない米中西部の広大な都市にとって、より良い公共交通機関には切迫したニーズがあり、インディアナポリスで始まる同プロジェクトはその要望に応えることができるだろう。

 プログラムは短距離の片道のEVレンタルが基本で、目的地の最寄りの充電ステーションに車載GPS(全地球測位システム)を通じて駐車スペースを予約しておくというもの。プログラム名はまだ決まっていない。

■インディアナポリス皮切りに全米に広がるか

 物流大手で、EV用電池と「スマート」電力システムを開発するボロレは、インディアナポリス市長が昨年、市の公用車を全台EVに変える計画を発表したことを受けて、同市に目を付けたという。

 また政治方針だけでなく、同市には、自動車シェアリングを活用できるような「非常にダイナミックなビジネス社会」と、大規模な学生人口が存在すると、プロジェクトを運営するボロレ子会社のゼネラルマネジャー(GM)は語る。

 充電ステーションは自家用のEVでも利用可能で、これによりインディアナポリスは米国有数の電気自動車都市となる。

 ボレロは米国の複数の都市とすでに接触しており、ボロレ子会社のGMによると、どの都市もEVシェアリングプログラムに関心を示しているという。

「問題は、その関心をどうやったら実際のプロジェクトに変換できるかだ」と同GMは語った。(c)AFP/Mira Oberman