氷河の縮小、海面上昇の約3分の1の原因に 米研究
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【5月20日 AFP】世界各地で縮小を続ける氷河から解け出た水が、2003年から2009年の間に発生した海面上昇の3分の1近くの原因になっていたとの研究論文が16日、米科学誌サイエンス(Science)で発表された。
米マサチューセッツ(Massachusetts)州にあるクラーク大学(Clark University)などの研究者らは、従来の地上測定と米航空宇宙局(NASA)の2つの観測衛星(ICESatとGRACE)で収集した世界各地の氷河のデータを解析した。
同大学のアレックス・ガードナー(Alex Gardner)助教(地理学)によると、氷河で失われている氷の総量は、より大きな氷床で失われる氷の量とほぼ同程度だという。論文では、氷の消失が最も顕著なのは、カナダ北極圏、米アラスカ(Alaska)州、グリーンランド(Greenland)沿岸、アンデス(Andes)山脈南部、ヒマラヤ山脈(Himalayas)とされている。
グリーンランド氷床と南極氷床の外側にある氷河では、2003年から2009年の間に年間平均で約2600億トンの氷が失われ、これにより、海面が年間約0.7ミリ上昇した。
米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)の氷河学者、タッド・フェファー(Tad Pfeffer)氏は「グリーンランドや南極大陸を覆っている巨大な氷床に比べると、全世界の氷河の氷の量は比較的小さいため、人々の懸念の対象にならない傾向がある」と語る。「だが、(氷河は)底に大きな穴が開いている小さなバケツのようなもので、それほど長くは持たないかもしれない。持って100~200年程度だろうが、氷河に氷が存在する間は、海面上昇の大きな要因になる」
科学者らの試算では、世界中の氷河がすべて融解すると、海面は約60センチ上昇する。一方で、グリーンランドの氷床全体が消失した場合の海面上昇幅は約6メートル、南極大陸の氷がすべて失われた場合の上昇幅は約60メートルとされる。(c)AFP
米マサチューセッツ(Massachusetts)州にあるクラーク大学(Clark University)などの研究者らは、従来の地上測定と米航空宇宙局(NASA)の2つの観測衛星(ICESatとGRACE)で収集した世界各地の氷河のデータを解析した。
同大学のアレックス・ガードナー(Alex Gardner)助教(地理学)によると、氷河で失われている氷の総量は、より大きな氷床で失われる氷の量とほぼ同程度だという。論文では、氷の消失が最も顕著なのは、カナダ北極圏、米アラスカ(Alaska)州、グリーンランド(Greenland)沿岸、アンデス(Andes)山脈南部、ヒマラヤ山脈(Himalayas)とされている。
グリーンランド氷床と南極氷床の外側にある氷河では、2003年から2009年の間に年間平均で約2600億トンの氷が失われ、これにより、海面が年間約0.7ミリ上昇した。
米コロラド大学ボルダー校(University of Colorado at Boulder)の氷河学者、タッド・フェファー(Tad Pfeffer)氏は「グリーンランドや南極大陸を覆っている巨大な氷床に比べると、全世界の氷河の氷の量は比較的小さいため、人々の懸念の対象にならない傾向がある」と語る。「だが、(氷河は)底に大きな穴が開いている小さなバケツのようなもので、それほど長くは持たないかもしれない。持って100~200年程度だろうが、氷河に氷が存在する間は、海面上昇の大きな要因になる」
科学者らの試算では、世界中の氷河がすべて融解すると、海面は約60センチ上昇する。一方で、グリーンランドの氷床全体が消失した場合の海面上昇幅は約6メートル、南極大陸の氷がすべて失われた場合の上昇幅は約60メートルとされる。(c)AFP