【5月13日 AFP】モロッコの砂漠都市ワルザザート(Ouarzazate)で10日、16万キロワット級の太陽光発電所の建設工事が始まった。2段階からなる太陽光発電プロジェクトの第1段階にあたる。

 起工式には国王モハメド6世(King Mohammed VI)と太陽エネルギー発電庁(MASEN)のムスタファ・バクリ(Mustapha Bakkoury)長官が出席した。

 2段階から成るプロジェクトは2020年の完成を目指しており、最終的には3000ヘクタールの敷地に50万キロワット級の発電施設を建設する。ワルザザートの住民150万人分のエネルギーが供給可能となる計算だ。

 マグレブ・アラブ通信(MAP)がバクリ長官の話として報じたところによると、同種の発電施設としては世界最大規模で建設費用は70億ディルハム(約830億円)。第一段階の完成は2015年を予定しているという。

 アフリカ北部に位置するモロッコは、世界トップクラスの再生可能エネルギー生産国を目指しており、欧州へのクリーンエネルギー輸出を視野に入れている。2020年までに90億ドル(約9200億円)を投じて計5つの太陽光発電施設を建設し、発電能力を合計で200万キロワットまで高める計画だ。 

 石油やガス資源に恵まれないモロッコは、太陽光発電と大西洋沿岸での風力発電プロジェクトで再生可能エネルギーの生産能力を高め、2020年までに全電力の42%を太陽光と風力発電で賄う計画だ。(c)AFP