【5月11日 AFP】大気中の二酸化炭素(CO2)の量が人類史上初めて400ppmを超えたことが、米監視当局の10日の発表で明らかになった。専門家らは、温室効果ガス削減のための行動を新たに呼びかけている。

 米ハワイ(Hawaii)州マウナロア(Mauna Loa)にある海洋大気局(National Oceanic and Atmospheric AdministrationNOAA)の監視センターがインターネット上で公表したデータによると、太平洋上の日間平均CO2量は、5月9日に400.03ppmを記録。また、米サンディエゴ(San Diego)のスクリップス海洋研究所(Scripps Institution of Oceanography)は、400.08ppmのCO2量を観測した。

 気象学者らは、この節目は象徴的なもので、いずれ超えることは予想されていたと話している。しかし、化石燃料の大量使用により傷つけられた環境を回復させる必要があるとの重要なメッセージだという。
 
 大気中のCO2量は、人類が存在するはるか以前の300万~500万年前から400ppmを超えたことはないとされる。当時の地球は、現在より気温が数度高く、海水面が20~40メートル高かったと推定されている。

 英ロンドン大学経済政治学院(London School of Economics and Political ScienceLSE)グランサム気候変動環境研究所(Grantham Research Institute on Climate Change and the Environment)のボブ・ワード(Bob Ward)政策担当部長は、「われわれが今、生み出しつつあるのは先史時代の気候であり、人間社会は膨大かつ破滅的な可能性を秘めたリスクに直面することになる」と述べた。(c)AFP/Kerry Sheridan