「妖精の輪」、実はシロアリが原因
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【3月31日 AFP】アフリカの乾燥した草原地帯に草が生えない円形ができる、いわゆる「フェアリーサークル(妖精の輪)」と呼ばれる不思議な現象は、実はシロアリの活動が原因だとする新たな研究結果が、28日に米科学誌サイエンス(Science)で発表された。
フェアリーサークルは最大で直径15メートル前後で、ナミビアを中心に見られる。現地の先住民族ヒンバの人々は、神のなせる業だとしている。
科学者の間では以前シロアリ説が浮上したものの、証拠不足のため結論が保留されていた。しかしドイツのハンブルク大学(University of Hamburg)で植物学を研究しているノルベルト・ユルゲンス(Norbert Juergens)氏は詳しい調査を経て、フェアリーサークルの背後に生物が存在し、それがプサモテルメス(Psammotermes)と呼ばれるシロアリの種類である公算が大きいとする有力な証拠を提示した。
ユルゲンス氏らがアンゴラ中部から南アフリカ北部に至る約2000キロの乾燥地帯を調べたところ、サークル形成初期にこの種類のシロアリが常に確認された。同氏は、シロアリが多年生植物の根をえさとし、付近の植物を実質的に枯らしてしまうと見ている。
ただ草が枯れてなくなった部分は、水分保持力が高まる。雨水が植物によって使用され、蒸発することがなくなるためだ。これはシロアリの生存を支援するとともに、乾季でもサークル周辺の植物が繁茂する要因となる。ユルゲンス氏は、結果的にシロアリの関与によって生態系が砂漠から草原に変化した、と説明した。(c)AFP
フェアリーサークルは最大で直径15メートル前後で、ナミビアを中心に見られる。現地の先住民族ヒンバの人々は、神のなせる業だとしている。
科学者の間では以前シロアリ説が浮上したものの、証拠不足のため結論が保留されていた。しかしドイツのハンブルク大学(University of Hamburg)で植物学を研究しているノルベルト・ユルゲンス(Norbert Juergens)氏は詳しい調査を経て、フェアリーサークルの背後に生物が存在し、それがプサモテルメス(Psammotermes)と呼ばれるシロアリの種類である公算が大きいとする有力な証拠を提示した。
ユルゲンス氏らがアンゴラ中部から南アフリカ北部に至る約2000キロの乾燥地帯を調べたところ、サークル形成初期にこの種類のシロアリが常に確認された。同氏は、シロアリが多年生植物の根をえさとし、付近の植物を実質的に枯らしてしまうと見ている。
ただ草が枯れてなくなった部分は、水分保持力が高まる。雨水が植物によって使用され、蒸発することがなくなるためだ。これはシロアリの生存を支援するとともに、乾季でもサークル周辺の植物が繁茂する要因となる。ユルゲンス氏は、結果的にシロアリの関与によって生態系が砂漠から草原に変化した、と説明した。(c)AFP