【3月11日 AFP】(一部更新)タイのバンコク(Bangkok)で開催されている「ワシントン条約(絶滅のおそれのある野生動植物の種の国際取引に関する条約、Convention on International Trade in Endangered SpeciesCITES)」締約国会議は11日、新たに5種のサメの国際取引を規制することで合意した。これらのサメは、ヒレ(フカヒレ)での需要が高く、絶滅の恐れがあった。

 ワシントン条約締約国は現在178か国。会議では、ヨゴレザメ、ニシネズミザメ、それと3種のシュモクザメの輸出を制限することで合意したが、取引の全面禁止では合意に至らなかった。フカヒレが珍味として重宝される日本や中国といったアジア各国は、取引規制を阻止しようと動いたものの、最終的にはブラジルやコロンビア、米国などの国々により押し通された。最終日の本会議で正式に決定される。

 規制の合意により、輸出国は輸出許可証を発行することで取引の規制が求められ、違反した場合は制裁を受ける。すでにホホジロザメ、ジンベエザメ、ウバザメが取引規制の対象になっている。

 国連食糧農業機関(Food and Agriculture OrganizationFAO)によると、サメの漁獲量は年間約1億匹に上り、その大半がヒレを目当てにした漁となっている。また乱獲が原因で、過去100年間で世界のサメの99%がすでにこの地球上から姿を消しているという。(c)AFP