【12月3日 AFP】大気中の二酸化炭素(CO2)濃度は毎年約3%で増え続けており、このペースが続けば地球の気温は2100年までに5度上昇するとの研究結果が2日、英科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ(Nature Climate Change)」に発表された。これは、これまでに気候学者らが発表してきた数値のなかで最も警告レベルが高いものだ。

 国連気候変動枠組み条約(UNFCCC)締約国会議では、温暖化抑制の数値目標として地球の気温上昇を産業革命以前比の2度未満に抑えることを掲げている。

 しかし、地球温暖化に関する国際研究計画「グローバル・カーボン・プロジェクト(Global Carbon ProjectGCP)」が各国のCO2排出量のデータと2011年、12年の予測値に基づいて行った研究によると、2011年の世界のCO2排出量は1990年比で54%増だった。さらに、2000~11年にCO2排出量は年平均3.1%上昇。2012年も2.6%の上昇との予測結果が出た。

 英イーストアングリア大学(University of East Anglia)のコリーヌ・ルケレ(Corinne le Quere)氏は、CO2排出量は予測最大値に沿って増えており、このまま行けば今世紀末までに地球の気温は4~6度上昇する可能性があると述べている。これは目標値の2倍を上回る上昇率だ。

 研究によれば、先進国の排出量はUNFCCCが基準年とする1990年以降ほとんど変わっていないものの、中国、インド、ブラジル、インドネシアを始めとする発展途上国の排出量が増加しているため、抑制効果は出ていない。世界で途上国の排出量が占める割合は1990年には35%だったが、2011年には58%になっている。(c)AFP