【11月16日 AFP】オーストラリア政府は16日、周辺海域に新たな海洋保護区を設置し、世界最大の海洋保護ネットワークを設けたと発表した。新たな保護区設置については、同国の漁業産業に大きな打撃を与えるとして不安の声も聞かれる。

 長年にわたり審議され実現に至った同計画は、周辺の6海洋区域、計230万平方メートル以上を対象とし、シロナガスクジラやアオウミガメ、ジュゴン、さらには絶滅危惧種のシロワニなど海洋生物の保護を強化する。

 しかし同国の漁業関係者は保護区の設置に怒りをあらわにしている。保護区域の設置により、沿岸地域の経済は打撃を受け、数千もの雇用が喪失、また20億オーストラリアドル(約1700億円)産業である水産養殖業にも大きな影響が出るとした。

 同国政府は、保護区設置により影響を受ける企業への対策として、1億オーストラリアドル(約84億円)を用意しているという。(c)AFP/Martin Parry