【11月5日 AFP】国際環境保護団体グリーンピース(Greenpeace)は10月29日、有名メーカーの販売するアウトドア用の衣料品が健康および環境に有害なさまざまな化学物質で汚染されていることが多いとの警告を発表した。

 グリーンピースの研究では、(いろいろな有害物質が検出された中で)風雨や降雪時における衣類の利便性を高めるために使われている物質に(も)毒性があったという。

「アウトドア向けの衣料品広告では、しばしば手つかずの自然というイメージが用いられる。だが自然は、耐風性の繊維に使われている化学物質で汚されている」と、同団体は述べた。

■PFCs含有量を調査

 グリーンピースは、ジャックウルフスキン(Jack Wolfskin)やVaude(ファウデ)、ザ・ノース・フェイス(North Face)、Marmot(マーモット)、パタゴニア(Patagonia)、アディダス(Adidas)といったトップブランドの女性用および子ども用のレイン・ジャケットとレイン・トラウザー14着に含まれる化学物質PFCsの量を調査し、すべてのサンプルでPFCsが含まれていることを確認した。

 PFCsの一部は環境ホルモンとして知られ、生殖システムに有害であるとされる。

「アウトドアウエアの内と外の両側で乾燥した状態を保つために、ほとんどのブランドがPFCsを使っている。だが、炭素とフッ素から作られるこれらの人工化合物は、非常に安定しているため、環境からなくなることはほぼ皆無」と、グリーンピースは述べた。

 同団体では2011年から、衣服に使われる有害化学物質を安全な物質に置き換えるようメーカーに求めるとともに各国政府に規制強化を呼びかける「デトックス(Detox)」運動を行っている。(c)AFP