【10月25日 AFP】南極の観測基地への物資輸送用にオーストラリアが建設した氷上滑走路が地球温暖化のため解けつつあり、新たな滑走路建設地を模索していると、同国南極局(Australian Antarctic Division)が24日発表した。

 オーストラリアは南極にケーシー(Casey)、デービス(Davis)、モーソン(Mawson)の3基地を設けており、それぞれ研究者や職員が滞在している。これらの基地への物資補給に使われているのが、ケーシー基地近くに4500万豪ドル(約37億円)をかけて建設されたウィルキンス滑走路(Wilkins Runway)だ。

 ところが、氷河を削って作られた同滑走路では表面の氷が解け始めており、使用が制限されているという。

 観測によれば南極大陸では過去50年間に気温が2度上昇している。地球全体の気温の変化と比べると3倍のペースで温暖化が進んでいることになる。

 氷上に輸送機が着陸できるのは、気温がマイナス5度以下の時だけだ。オーストラリア南極局のトニー・フレミング(Tony Fleming)局長は、「地球温暖化の傾向は長期的に続く兆しがある。(ウィルキンス)滑走路の運用は今後さらに困難になるだろう」と、オーストラリア放送協会(Australian Broadcasting Corporation)に語った。(c)AFP