【10月7日 AFP】8日からインドのハイデラバード(Hyderabad)で国連(UN)の生物多様性条約(Convention on Biological Diversity)第11回締約国会議(COP11)が開催される。生物多様性の憂える現状を改善する道は示されるのだろうか。

■地球上には300万~1億種が生息していると、科学者らは推測している。うち約175万種が科学的に確認されている。

■国際自然保護連合(International Union for the Conservation of NatureIUCN)が毎年更新しているレッドリスト(絶滅のおそれのある野生生物の種のリスト)に現在指定されている全6万3837種のうち、絶滅危惧種は1万9817種。

■さらに絶滅危惧IA類(ごく近い将来における野生での絶滅の危険性が極めて高いもの)は3947種、絶滅危惧IB類(IA類ほどではないが、近い将来における野生での絶滅の危険性が高いもの)は5766種、絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)は1万104種。

■63種が野生から姿を消し、801種が絶滅した。

■全両生類の41%、サンゴ礁を作っているサンゴの33%、哺乳類の25%、植物の20%、鳥類の13%に絶滅のおそれがある。

■インド人経済学者パヴァン・スクデフ(Pavan Sukhdev)氏の2010年の報告書は、生物多様性の喪失によって年間1兆7500億~4兆億ドル(約130兆~310兆円)の損失が生じていると指摘した。

■国連のミレニアム開発目標(Millennium Development Goals)で各国は、2010年までに植物と動物の減少率を「有意に減少」させることを誓約したが、この目標はほとんど達成されなかったことを国連は認めた。

■2010年に名古屋で行われたCOP10では、2020年までに生物多様性の損失を逆転させるための20の個別目標が掲げられた。この中には、生息環境の喪失率を半分までに抑える、水域・陸域の自然保全を拡大する、現在絶滅危惧リストに掲載されている生物種の絶滅を回避する、悪化した生態系の少なくとも15%の回復を図ることなどが挙げられている。(c)AFP