【6月14日 AFP】ソーラー飛行機として史上初の大陸間飛行を先週成功させたスイスの「ソーラー・インパルス(Solar Impulse)」は13日、モロッコ縦断飛行に向けて飛び立ったが、強い向かい風のために出発から約8時間半後に引き返すことを余儀なくされた。

 当初の飛行計画では、同国のラバト(Rabat)を出発し砂漠地帯上空を飛行した後、16時間後にワルザザート(Ouarzazate)に到着する予定だった。

 チームは公式ウェブサイト上で、機体と操縦士のアンドレ・ボルシュベルク(Andre Borschberg)氏に「危険は及んでいないものの、(向かい風により)最終目的地への飛行が阻害されている」と述べ、「出発地であるラバトの空港へ引き返すことを、フライトディレクターが決断した」と発表した。現在、新しい航路を検討中だという。

 計画の中止は、ジャンボジェット並みの翼長をもちながら重量は中型車ほどというソーラー・インパルスの飛行が、いかに天候状態に左右されるかを露呈する形になった。モロッコの砂漠地帯上空は、熱気流や強風、雷を伴う暴風雨などが発生するため、飛行が困難とされている。

 飛行の様子はプロジェクトのウェブサイト「www.solarimpulse.com」でストリーミング中継される。(c)AFP/Henri Mamarbachi

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