【6月11日 RenewableEnergyWorld.com】英政府は5月24日、太陽光発電の固定価格買い取り制度(フィード・イン・タリフ、FIT)の改定案を発表した。

 8月1日から、家庭用の小規模太陽光発電設備が設置されている場合に支払われる金額は発電量1キロワット時当たり21ペンス(約26円)から16ペンス(約20円)に引き下げられ、その後も3か月ごとに引き下げられる。ただし太陽光発電市場が減速した場合は据え置く。

 全種別の支払い価格は引き続き消費者物価指数と連動して決まる。太陽光発電の余剰電力を売電した場合の買い取り価格は1キロワット時当たり3.2ペンス(約4円)から4.5ペンス(約6円)に引き上げる。

 英政府は、改定案により太陽光パネルを設置したほとんどのケースで投資金額に対して6%の収益が得られるとしている。今年度の買い取り価格の引き下げは43ペンス(約53円)から現行の21ペンスに下げた4月に続いて2回目。この引き下げは当初前年12月の実施が予定されていたが、協議期間が終わっていないとして反発した太陽光発電業界の複数の企業が英政府を提訴し、政府側が敗訴していた。

 グレッグ・バーカー(Greg Barker)英エネルギー・気候変動相は5月24日、「英国において太陽光発電は、小規模発電技術に関心のある人々にとって引き続き魅力あるプランだということを明確にしておきたい」と述べた。また、「この補助金制度が長期的に持続可能になるようにしたことにより、太陽光発電業界は安心して事業拡張計画をたてることができる」としている。
 
 英国の太陽光業界団体Solar Trade Associationのアラン・オルドリッジ(Alan Aldridge)会長は「市場が停滞している中、新しい買い取り価格は厳しいものではあるが実行性はある。当団体は政府と協力して、新しい価格は他のどの国と比べても恵まれており、高い収益をもたらすというメッセージを家屋の所有者に伝えていきたい」と語った。(c)RenewableEnergyWorld.com/Kelvin Ross/AFPBB News

執筆者のケルビン・ロス(Kelvin Ross)氏はエネルギー専門誌「Power Engineering International」の副編集長。再生可能エネルギー専門サイト、RenewableEnergyWorld.comにこの記事の原文(英語)が掲載されています。