【6月5日 RenewableEnergyWorld.com】閉山された鉱山は監視・管理にコストがかかる上、周辺地域に害を及ぼす危険性があるが、未開発の地熱資源でもある。

 カナダのマギル大学(McGill University)の研究者たちは、廃坑を水で満たした場合の潜在的なエネルギー資源量を測定する方法について調査した。この方法は欧州やカナダのいくつかの場所で既に用いられているが、マギル大のチームは、廃坑を使った地熱発電量を予測するモデルと合わせることで、この方法が普及することを期待している。

 これは至って単純な方法に思える。廃坑を水で満たし、高温の岩石の熱で自然に温度上昇させた水を地表にくみ上げ、その熱で蒸気を作って発電する。そして熱を失った水は坑内に戻すというシステムだ。

 研究チームによれば、この方法で発電した場合、鉱山1平方キロメートル当たり約150キロワットの電力が得られる。最大で100万人のカナダ人がこの方法によって恩恵を得られるが、もっと人口密度の高い国ならば恩恵を受ける人はさらに多いだろうという。

 今回の研究に関する論文の主著者、同大のサイード・アリ・ゴレイシ・マディセー(Seyed Ali Ghoreishi Madiseh)氏は、「廃坑の永続的な監視や修復には高いコストがかかるが、廃坑を地熱発電に利用すればそのコストは相殺され、鉱業の持続可能性を高めることにつながるだろう」と述べている。(c)RenewableEnergyWorld.com/AFPBB News

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再生可能エネルギー専門サイト、RenewableEnergyWorld.comにこの記事の原文(英語)が掲載されています。