【5月23日 RenewableEnergyWorld.com】イタリア電力大手エネル(Enel)傘下のエネル・グリーンパワー(Enel Green Power)は5月上旬、米ネバダ(Nevada)州スティルウオーター(Stillwater)の既存の6万キロワットの地熱発電所に隣接する2万4000キロワットの太陽光発電所を完成させ、太陽光と地熱を併用する世界初の発電所が誕生した。発電能力増強と資源の予測可能性の向上を目指す。

 地熱と太陽光という組み合わせは、地熱は太陽光発電の間欠性を補完し、太陽光は地熱の長期的な資源量減少を補完するため、相互にメリットがある。

 エネルは集光型太陽熱発電(Concentrated Solar Power、CSP)技術を組み込む計画も持っており、同発電所でさらなる研究開発に重点的に取り組む構えだ。エネル・グリーンパワー・ノースアメリカ(Enel Green Power of North America)のフランチェスコ・ベントゥリーニ(Francesco Venturini)社長兼CEOは声明で「ネバダが研究開発と技術融合の卓越した研究拠点になることにわれわれは賭けている」と述べた。

 エネル・グリーンパワーは今後、近隣のソルトウェルズ(Salt Wells)の地熱発電所に太陽光発電設備を設置することも計画している。

 同社は現在、北米での再生可能エネルギー事業の強化に取り組んでおり、中でもまだ開発の進んでいない米国の豊富な地熱発電の分野で先手を打とうとしている。

 5月上旬、同社は米ユタ(Utah)州コーブ・フォート(Cove Fort)で、2万5000キロワットの地熱発電所の建設に着手すると発表。同プロジェクトの費用は1億2600万ドル(約100億円)。20年間の電力購入契約(power purchase agreement、PPA)が確保されており、送電開始は2013年の予定だ。(c)RenewableEnergyWorld.com/Meg Cichon/AFPBB News

執筆者のメグ・チチョン(Meg Cichon)氏はRenewableEnergyWorld.comのアソシエート・エディター。再生可能エネルギー専門サイトRenewableEnergyWorld.comにこの記事の原文(英語)が掲載されています。