【5月21日 AFP】マレーシア・サラワク大学(Universiti Malaysia Sarawak)のインドラネイル・ダス(Indraneil Das)氏は18日、ボルネオ(Borneo)島(インドネシア名カリマンタン島)で少なくとも1種の新種のカエルを発見したと発表した。この体長4~5センチほどしかない茶色のカエルは、特徴的な高い鳴き声を発するという。

 これまでにも新種の両生類を多数発見しているダス氏は、ボルネオの豊かな生物多様性を示す発見だと述べている。

 ダス氏の調査チームは2010年9月、サラワク(Sarawak)州にあるSingai山の熱帯雨林を調査中、この新種のカエルを発見。その後、近くのクバ国立公園(Kubah National Park)でも同種のカエルを発見したという。

 ダス氏はAFPの取材に、「聞いたことのない鳴き声が聞こえた。カエルは積もった落ち葉の下で鳴いていた。今まで誰にも発見されなかったのは恐らくそのためだろう」と語った。「とても特徴的な鳴き声だ。かん高く、大きい声で繰り返し鳴く」

 調査チームは他にも数種の未確認とみられるカエルを発見しており、新種かどうかの確認が現在行われているという。新種の判定には長い時間がかかるが、今回の発見の論文審査もこれからだと述べるダス氏は、新発見を公表することでボルネオの驚くべき豊かな生物多様性に注目を集め、伐採などの開発によって脅かされている熱帯雨林の保護へつなげたいと願っている。

 ダス氏は前年にも、約90年前にボルネオのジャングルで目撃されたのを最後に生息が確認されていなかった脚の細長い希少ヒキガエル「サンバス・ストリーム・トード(Sambas Stream Toad、別名ボルネオ・レインボー・トード、Borneo Rainbow Toad)」を再発見し、大きく報じられた。この希少ヒキガエルは米自然保護団体コンサベーション・インターナショナル(Conservation International)などが指定する、世界で最も生息情報が求められるカエル10種のうちの1種とされていた。

 ダス氏はまた、アジア最小の豆粒サイズのカエルをクバ国立公園で発見している。(c)AFP

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