【5月10日 AFP】ペルー北部の海岸で鳥やイルカが大量死している問題で、ペルー政府は9日、これまでに見つかった死骸の数はペリカンなど鳥類が約5000羽、イルカは約900匹に上ったと発表した。海温上昇が原因の可能性があるという。

 死骸が見つかっている海岸は今週初めから閉鎖され、専門チームが原因究明にあたっている。

 NGO団体らは海底油田の掘削が大量死の原因だと主張しているが、環境省のガブリエル・キハンドリア(Gabriel Quijandria)次官はこの見方を否定。海水温度が上昇し餌の捕獲が困難になった可能性を指摘した。

 同次官によると、死んだイルカ877匹についての調査はまだ途中だが、重金属汚染やバクテリアによる感染症が原因ではないという。一方で、大量死現象が他の沿岸部にも拡大し、さらに多くの鳥類や海洋生物が死亡する恐れは否定できないという。

 事態を受けペルー保健省は前週末、国民に向け、大量死の原因が判明するまで首都リマ(Lima)および北部の海岸地域に近づかないよう警告を出した。

 民間の環境保護団体ORCAは、北部海岸沖で行われている油田掘削の騒音がイルカの聴覚機能に悪影響を与えているとして非難している。ORCAは9日、イルカ30匹の死骸を調べた結果、耳や内臓に減圧症(潜水病)で見られるものと同じ損傷が確認されたと発表した。

 ただ、気象専門家のアブラハム・レビー(Abraham Levy)氏は8日、エルニーニョ現象に伴う太平洋の海温上昇がイルカ大量死の原因ではないかとAFPの取材に語っている。(c)AFP

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