【4月24日 AFP】ドイツ西部のラインラント・プファルツ(Rhineland-Palatinate)州で前週末、ドイツで一時は絶滅したオオカミとみられる動物が銃で撃たれて死んでいるのが見つかり、怒りの声が上がっている。

 死骸はヴェスターヴァルト(Westerwald)山地で見つかった。州当局者によると現在、種を特定するためのDNA検査が進められている。オオカミであることが確認されればヴェスターヴァルトでは123年ぶりとなる。

 ウルリケ・ヘフケン(Ulrike Hoefken)州環境相は声明を出し、殺されたのがオオカミだと確認されれば種の保護という観点からは悲しい出来事だと述べ、この動物を殺したことは正当化できないと述べた。

 同州の狩猟協会もオオカミの射殺は自然保護法令の重大な違反であり、責任を負うべき者は処罰されるべきだとして、犯人の特定につながる情報の提供者に1000ユーロ(約10万7000円)を超える懸賞金を出すと発表した。

 ドイツのオオカミは乱獲や生息地の自然破壊によって19世紀に絶滅したが、冷戦後に東から入ってきたオオカミが定着し、徐々にその数を増やしつつある。オオカミは東西ドイツが統一した1990年に保護動物に指定された。(c)AFP