【4月23日 AFP】鮮やかな紫色をした新種の淡水ガニ4種類をフィリピンのパラワン(Palawan)島で発見したと、独ゼンケンベルク動物学博物館(Senckenberg Museum of Zoology)に勤務するヘンドリック・フライターク(Hendrik Freitag)氏が21日、明らかにした。生物の多様性に富むフィリピンだが、その生態学系は危機に直面している。

 新種のカニは、低地の森林生態系のごく一部地域の岩影や川底の穴に生息し、夜間に枯れた草葉や果実、小動物の死骸などを食べているとみられる。一番大きい種でも5.3センチ×4.18センチ、最小の種は3.31センチ×2.51センチしかない。ほとんどが紫色の甲羅に先端が赤い手脚を持っている。

 フライターク氏はAFPの取材に電子メールで回答を寄せ、「カニは色を識別できるので、たとえば交尾などの社会的行動において体色が合図となっていると考えられる」と説明。今回見つかった新種も含めたインスラモン(Insulamon)と呼ばれる種の淡水ガニの多くで、大型の雄の甲羅が濃く赤色な一方、雌や未熟な雄は紫色をしている理由も、これで説明できるのではないかとの見方を示した。(c)AFP