【3月22日 AFP】インド南部タミルナド(Tamil Nadu)州の警察当局は20日、同州ティルネルヴェーリ(Tirunelveli)県のクダンクラム(Koodankulam)原発の稼動に反対する約190人の活動家を逮捕したと発表した。

 20日に電話取材に応じた現地警察のトップ、ビジェンドラ・ビダリ(Vijendra Bidari)氏は、「19日に約190人を逮捕したが今日は逮捕者はなく、平穏だ」と述べ、逮捕したのは、周辺地域から集まっていたデモ参加者だったと説明した。

 多くの周辺住民や反核運動家らが抗議行動を始めた前年9月から同発電所の稼動に向けた作業は中断していたが、同州政府は19日に作業再開を許可し、100万キロワットの原子炉2基のうち1基の作業が20日に再開された。ビダリ氏によると、作業を中断していた間も警察官が原発の敷地内を監視していたという。

 クダンクラム原発は、原子力発電量を2032年までに現在の14倍近くにあたる6300万キロワットにする目標に向けてインド政府が建設した多数の原発の1つ。インド国内に原子力発電所は20基あるが総発電量は478万キロワットにすぎない。インドは石炭火力発電に依存しており、電力消費のピーク時には約12%の電力不足となる。

 2011年3月に発生した東京電力(TEPCO)福島第1原発事故は、インドの原発にとって逆風になった。福島第1原発の事故を受けてインドの活動家らは、マハラシュトラ(Maharashtara)州で2013年に着工が予定されている世界最大級の原発、ジャイタプール(Jaitapur)原発にも反対している。(c)AFP/Pratap Chakravarty