【2月28日 AFP】過去2年間の北半球の降雪量の増加は、北極の海氷がとけたことが原因の可能性があるとする研究論文を、米ジョージア工科大学(Georgia Institute of Technology)主導の米中共同研究チームが27日、米科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of SciencesPNAS)に発表した。

 発表された研究論文によると、北極海の海氷面積は2007年、観測史上最小を記録。一方で米国北部をはじめ、欧州北西部および中央部、さらには中国北部および中央部など、広い範囲で降雪量が平年を上回った。

 北半球の降雪量は2009~2010年と2010~2011年の冬、それぞれ観測史上2番目と3番目に多かった。

 研究グループは、海氷融解によって大気中の水分が増え、例年は冷気を北に追いやる気流および西向きの風に影響を与えたと考えている。このため冷気が通常より中・低緯度の地域に多く流れ込んで「欧州や米国北東部・中西部の大雪につながった」とジョージア工科大学のJiping Liu上級研究員は述べた。

 今回の研究は中国科学院(Chinese Academy of Sciences)と米コロンビア大学(Columbia University)の研究者も参加し、米航空宇宙局(NASA)と全米科学財団(National Science FoundationNSF)が支援した。(c)AFP