【2月17日 AFP】米ニューヨーク市(New York City)を襲う「100年に1度の大規模な高潮」の発生頻度が、2100年までには3~20年に1度に増加する恐れがあるとの米大研究が、14日の科学誌「ネイチャー・クライメートチェンジ(Nature Climate Change)」に掲載された。

 米マサチューセッツ工科大学(Massachusetts Institute of TechnologyMIT)とプリンストン大学(Princeton University)の研究チームは、独自に設計したコンピューターモデルを用い、地球温暖化によるさまざまな状況を想定した暴風雨について数万パターンをシミュレーションした。

 すると、2081年~2100年までに激しい暴風雨が今よりも頻繁に発生するという、研究チームの過去の研究結果を裏付ける結果が導き出された。温暖化のため海水温度が上昇すると、熱膨張による海面上昇が起き、またハリケーンのエネルギー源ともなる。

 現在、ニューヨークに上陸する暴風雨によって高さ2メートル規模の高潮被害が起きる頻度は、100年に1度程度だ。だが同研究によると、2100年までには長くても20年に1度、もしかすると3年に1度のペースで発生する可能性があるという。

 また、3メートルの高潮が壊滅的な洪水被害をもたらす恐れは、現在は500年に1度だが、これも25~240年ごとに増えるという。 

 どちらの例でも、高潮は高さ1.5メートルのマンハッタン(Manhattan)の防波堤を軽く越えてしまうと、論文は警告している。記録上、ニューヨークを襲った過去最大の高潮は、1821年の高さ3.2メートルのものだという。(c)AFP